【すべてのNPO法人対象】
1 事業報告書等の備置期間が3年間⇒5年間に延長されます(施行:2017年4月1日)
適用書類:事業報告書等(毎年所轄庁に提出している書類。具体的には、事業報告書、活動計算書、貸借対照表、財産目録、年間役員名簿、社員名簿)で、2017年4月1日以後に開始する事業年度のもの。文書保管のルールをご確認ください。
2 設立や定款変更の認証申請の縦覧期間が2ヶ月⇒1ヶ月に短縮されます(施行:2017年4月1日)
認証申請の縦覧期間が1ヶ月に短縮され、申請書の受理後3ヶ月以内に認証申請の結果が出ます。
3 内閣府NPO法人ポータルサイトでの情報提供が拡大されます(施行:2016年6月7日)
4 「資産の総額の登記」が不要になり、「貸借対照表の公告」が必要になります(施行予定:2018年冬までに)
NPO法人の登記事項から「資産の総額」が削除され、貸借対照表を作成後遅滞なく公告する必要があります。
●公告の方法:以下の4つのうちいずれかを選択します(複数選択可)。
①官報に掲載、②日刊新聞紙に掲載、③電子公告(法人のホームページに掲載、または内閣府NPO法人ポータルサイトの利用)④主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示
●公告の期間:①②は1度の掲載、③は5年間継続して掲載、④は1年間継続して掲示
●対象:施行日以後に作成する貸借対照表は作成後遅滞なく公告
●経過措置:施行日(現在、施行日は2018年10月1日が想定されています。わかり次第ご報告いたします)前までに作成した貸借対照表のうち、直近のものを「特定貸借対照表」と呼び、これも公告しなければなりません。期限は施行日までに公告するか、施行日以後遅滞なく公告します。
●定款:公告の方法は定款で定めます。現行のままでよければ変更する必要はありません。ところで、多くの法人では「この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、官報に掲載して行う。」等の文言が記載されているのではないかと思います。この場合、もし定款を変更しなければ、貸借対照表の公告にもそのまま適用されますので、毎年官報に掲載しなければならず、掲載料金などの負担も発生します。そこで、「貸借対照表は官報で公告したくない」とお考えの場合は、定款の変更を検討されてはいかがでしょうか。
●定款を変更する場合:特定貸借対照表の公告までに定款を変更しなければなりません。「公告の方法」の定款変更は、総会で決議された後、所轄庁に届出します。
※今回の法改正とは別に、組合等登記令改正により、平成28年4月1日以後に作成する事業年度末日現在によりする資産の総額の変更登記は、年度末後3ヶ月以内に行えばよいことになりました。
【認定・仮認定NPO法人対象】 ※ 認定・仮認定の改正点の詳細は内閣府、所轄庁のホームページをご参照ください
5 役員報酬規程等の備置期間が3年間⇒5年間に延長されます(施行:2017年4月1日)
6 海外送金に関する書類が年1回の事後届出となります(施行:2017年4月1日)
7 「仮認定特定非営利活動法人」の名称が「特例認定特定非営利活動法人」に変わります
(施行:2017年4月1日)
※ 新しい情報が得られ次第、本紙や北海道NPOサポートセンターHP等でもご報告いたします。特に「貸借対照表の公告」については、運用されるまでに必要な手続がありますので、慎重にご検討ください。
今回のNPO法改正のポイントは「情報公開」といえるでしょう。特に「資産の総額の登記」「貸借対照表の公告」は今回の目玉となる改正です。この改正により、「資産の総額の登記」が不要になり、「これで毎年法務局に行かなくてもすむなあ」などと喜んでばかりもいられません。「貸借対照表の公告」が必要になるということは、NPO法人に対して、さらなる情報公開が求められているということにほかなりません。これを機に、事業報告書やホームページなど団体の情報公開のあり方について見直してみてはいかがでしょうか。