2017-05-15

NPO訪問記~NPOファシリテーションきたのわ 代表理事 宮本 奏氏

第5回:NPOファシリテーションきたのわ
代表理事 宮本 奏氏

札幌市出身。学生時代より国際協力活動に関わり、国際青年環境NGO A SEED JAPANの事務局、その後札幌で環境NGOezorock(現NPO法人ezorock)の事務局として関わる。ezorockで活動する中で、ジャンルや年代などを超えた様々な方々が、「はじめまして」からひとつのイベントを作りあげていくという過程の面白さを感じ、そんな中ファシリテーション・グラフィックの講座に参加したことをきっかけに講座に参加しメンバーと共にファシリテーションの学習会を実施。その後そのメンバーとNPOファシリテーションきたのわ(以下、きたのわ)を設立した。

当団体にお越しいただき、お話を聞きました。

会議の面白さを伝える

きたのわが関わる講座や研修会で出会う人たちは、まず「会議が楽しい」というイメージがない。長い、つまらない、、、なので、楽しい会議を経験してもらう、そこから興味を持っていただきたいという。2015年度、「もっと話し合いを楽しくするためのアイディア講座」を開催。その講座では、まずは「会議」という言葉自体を考えるところから始めた。理想の会議のカタチを話すと見えてくる、「そのためにはどうしたらよいか」。模擬会議で見えてくる「会議の楽しさ」。2016年度にはいろんな団体の普段の会議はどういう風にやっているかをまとめた『NPOのミーティングの事例集vol.1』をつくった。「その団体らしい会議運営とは?」に着目し、その団体が目指すビジョンや目的がどのように会議の中で意識されているか、表現されているかをインタビューした。その団体が意識しないでやっていることが実はその団体の会議運営の大きなポイントである場合も多かったという。

活動の中で大事にしていること

きたのわが大事にしていること。それは「実践を学べる場」としての役割である。きたのわのメンバーは現在17名。それぞれがお互いに講座・研修において進行補助や運営補助として関わり、実践している人を観察し、学ぶ。それは、会議をつくるという感覚は実践をしながら身に付けていくことという認識からだ。また、組織として月一回学習交流会を実施し、事例検討などを行っており、メンバー間での現場の具体的な実践の共有や意見交換を大切にしている。

中間支援組織としての役割:「会議」という視点からNPOを応援!

現在きたのわの活動は、現場での話し合いやワークショップの進行・紹介、講座や研修会の実施であり、対象は町内会や行政、NPOなど市民活動・まちづくりに関わる団体・人たち。NPOからの依頼の中には、「ミッションの再構築」「中長期計画づくり」の進行というものがある。NPO法成立より20年を経過した現在、団体設立時に掲げた団体のミッションは、現在の社会状況、団体の現状、現スタッフの想い・考え方と合致しているでしょうか。単年度の事業に追われ、中長期の計画を考えられているでしょうか。NPOのミッションや事業計画は、理事・職員含めすべて団体関係者が積極的に参画し、お互いの強みや課題を共有しながら構築されるべきもの。各個人が主体的に関わる手助けとなるのが、第三者のファシリテーターです。「北海道のNPOが行動を生み出す参加型の場づくりの支援」をミッション(一部抜粋)とするきたのわは、事業継承や世代交代に悩むNPO界にとって期待される役割は今後ますます大きくなっていくと思われます。北海道NPOサポートセンターでは、今後、きたのわと連携し、組織づくりに悩むNPO等の基盤強化に取り組んでいきたいと考えています。(文責:中西)

【NPOファシリテーションきたのわ】

ファシリテーションを活用して、道内のまちづくりの現場をサポートしたいという思いから、2010年4月設立。住民が対話を通じて地域やコミュニティの課題を解決していく社会の実現を目指して、学習交流会など情報交換の場づくり、会員同士の現場で実践する機会づくり、地域での話し合いやワークショップの組立・進行・紹介をしている。
お問い合わせはHPより⇒ https://kitanowa.jimdo.com/